セルライト除去を掲載
お客が口や手を拭くために置いてあるティッシュである。
口はともかく、ラーメンやギョーザを食べると、自然と手が汚れる。
丼や皿にスープや脂がついていることも多いし、辣油などの容器も油で汚れやすいからだ。
いまのお客は清潔感にうるさいから、手が汚れればきれいに拭く。
そのとき、ハンカチを汚させては失礼だからと、ティッシュを用意しているわけだ。
要するに、ナプキンの代わりである。
お客へのサービスという意味で、非常にいいことだ。
ナプキンを鶏知っているだけじゃないか、という見方もあるだろうが、もともとラーメン店という業種には、他業種のお店のようにナプキンを用意しておくという習慣はあまりなかった。
考えれば、一歩前進である。
とくに、女性客を狙うという意味では、意識改革が進んでいるといえよう。
私にいわせれば、ティッシュくらいではまだまだ不十分である。
ましてやオシャレをした若い女性客が気軽に利用できるお店をめざすなら、もう一歩先に進んでサービスのレベルアップを考える必要がある。
お客におしぼりを出すということだ。
こういうと、最近は逆に、おしぼりを出さない飲食店が増えているのではないか。
時代に逆行しているのでは、と思う人もいるだろう。
たしかに、おしぼりの提供をやめる飲食店は増えている。
時代の流れというわけではない。
それこそ逆である。
お客にまずおしぼりを出すというのは、日本ならではの素晴らしいおもてなしの習慣である。
汚れた手を拭くという実用面だけでなく、気分までさっぱりとさせてくれる精神的な効用もある。
ちょっとおしぼりを使うだけで、なぜかゆったりとしたリラックスした気持ちになれる。
だから以前は、多くの業種業態の飲食店がおしぼりのサービスを導入していた。
レストランばかりでなく、喫茶店や居酒屋でも当たり前のサービスだった。
最近、おしぼりサービスを廃止するお店が増えた理由はただひとつ、経費の削減である。
最初に顕著になったのは、バブルの家賃高騰や新しいスタイルの競合店の登場で打撃を受けて衰退業種とまでいわれた喫茶業界だった。
バブル崩壊後は、あらゆる業種に不振店の続出で、この流れは一気に広まった。
ここで考えなければならないのは、おしぼりを廃止したことで繁盛店になったお店などないということだ。
逆に、喫茶店などはお客離れを加速させるという皮肉な結果になっている。
私は、こういう時代だからこそ、サービスの向上の一環として、おしぼりサービスをおすすめしたい。
もちろん、すべてのお店でというのではないが、若い女性客をターゲットにするお店なら、ぜひ一考してほしいサービスのひとつなのである。
固定客づくりでも大きな武器になるはずだ。
レジとは、接客サービスの流れのなかの最大のポイントである。
お客もお店もここではじめて、本音で向き合うことになるからだ。
その瞬間にお店のイメージは大方決定されてしまう。
つまり、レジでの対応は、お店の成否を決める大事なカギでもあるわけだ。
どこのお店でも、レジが重要な仕事だということくらい、よくわかっている。
ただ、その理由はたいてい、金銭を扱う場所だから、というだけ。
お客のことは忘れて、自分の都合だけを考えてしまっている。
だから、ここが繁盛の落とし穴になることが少なくない。
もちろん、レジでの現金管理は大事な仕事である。
会計でのミスはお客に大変な迷惑をかけるのだし、場合によってはお店が損失を被ることもある。
また、不愉快なことだが、スタッフの不正行為が発生しやすいことも否定できない。
そのため、ラーメン店など小規模の飲食店では、経営者夫婦が自分で管理していて、アルバイトに任せるケースは少ないようである。
それで間違いではないし、信用できるスタッフに任せても、その意味では何の問題もない。
問題なのは、レジでのお客への対応の仕方なのだ。
誤解しているお店が多いのだが、レジ係の仕事は、たんなる金銭のやり取りだけではない。
お店のサービスの総仕上げなのである。
どうしてかというと、お客に最後に対応する場所だからだ。
会計を終えたお客は帰っていくが、一度利用してくれたからといって、必ず固定客になってくれるという保証があるわけではない。
また来店してくれるかもしれないし、二度と来店してくれないのかもしれない。
その分かれ目に立っているのが、レジ係なのである。
そこでお客の後ろ髪を引けるのか、それとも背中を押してしまうのか。
その結果の違いはいうまでもないだろう。
お客はレジでお金を支払うときに、お店に対してもっともシビアな評価を下す。
お客の満足度というのは、お金を払ってはじめて決定されるからである。
いくらラーメンがおいしくても、楽しく食べることができても、レジ係の対応が悪ければすべて帳消し。
お客の気持ちは一気に冷めてしまう。
「たかが何百円の食事なのに大袈裟な」などと、あなどってはいけない。
お店の売上げは、その何百円の積み重ねなのである。
客単価が低いのはそういう業種業態だからであって、お客の気分に金額の高い安いは関係ないのだ。
反対に、レジ係の対応の仕方次第では、それまでのマイナス点を取り返すこともできる。
したがってレジ係は、お客への「ありがとうございました」の言葉のかけ方にも、十分に注意しなければならない。
よくお金にばかり気を取られて、肝心の感謝の気持ちの表現がお留守になっているお店があるが、そういうわくだけの対応は最悪である。
繁盛ラーメン店を回ってみると、そこにはたいてい名物オヤジがいるものだ。
なかにはオカミサンの場合もあるが、要するに、店主の個性がお客を呼び、がっちりとひきつけて離さないのである。
そういうお店を見ると私は、飲食業というのは素晴らしい仕事だとつくづく思う。
そこには、おいしいラーメンを介しての豊かなコミュニケーションがあり、温かな心がある。
現代人がもっとも求めているものが、なんと、もっとも身近なラーメン店に溢れているのである。
だから、そういうお店のオヤジは皆、いい顔をしている。
一見いかにも頑固で怖そうな顔もあれば、柔和な顔もあるが、どの顔も一様に輝いている。
これぞ飲食店経営の醍醐味といえよう。
そういう格好のお手本がありこの醍醐味を知ろうともしないお店が多いのは、何とも残念なことである。
昔から小さな飲食店には、「○○ちゃんの店」と呼ばれるお店がある。
ラーメン店はもちろんのこと、洋食屋とか赤ちょうちん、居酒屋、スナックなど、ひとり客でも楽しめるお店に多い。
その愛称からもわかるとおり、いちばんの売り物はオヤジである。
もちろんラーメン店の場合なら、ラーメンやギョーザは文句なくおいしい。
客観的に見て地域随一の味かというと、そうでもないことが少なくない。
居酒屋などはもっと極端で、近所の新しいチェーン店のほうが商品力はずっと上だったりする。
それでも、お客は決然とチェーン店に背を向けて、愛するお店にせっせと通い詰めるのだ。
理由は簡単である。
そのオヤジのいる場所が楽しいから、いい時間を過ごせるからである。
ラーメン党であれば、まず自分好みのラーメンを食べることが第一の目的のはずなのだが、いつの間にか、オヤジの顔を見るためにラーメンを食べるようになってしまっている。
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